ソーダ水に溺れる
「いやー、あおちゃんってなんか冷めてるからさ、そーゆーの興味あんのかなって」
「冷めてるって、」
「実際そうじゃん?」
思わず苦笑いを浮かべてしまう。
たしかに。それはよく言われる言葉だ。自分ではそんなつもりなんてないのに、いつも一緒にいる友人からも度々言われるものだから、そろそろ認めざるを得ないというか。
まさか水瀬の目にもそんなふうに映っていたなんて。
「そのへんどーよ?」
「興味ないわけじゃないよ」
「あるってことね」
「……まあ、人並みに」
視界を占める光が徐々に大きくなって、ついにコンビニに辿り着いた。自動ドアが開き、足を踏み入れると軽快な音楽があたしたちを迎え入れる。
時間も時間なだけあって、店内にはあたしたちふたりと若い店員さんだけみたいだ。
「……らっしゃいませー」という怠そうな声を耳に、店の奥に進む水瀬の後を着いていく。
「なにしよっかなー」
言わずもがなアイスコーナーの前で足を止めた水瀬は、楽しそうにアイスを眺めている。
これ子どもの頃よく食べてたなあ、とか。
これCMで宣伝されてるアイスだ、とか。
あたしも同じようにアイスケースのなかを覗いていれば、向かい側にいる水瀬が「あおちゃん」と名前を呼ぶので視線を上げる。