仮面の貴公子は不器用令嬢に愛を乞う
***
『ユーリス、キスしたことはあるか?』
『ぶっ!何を突然』
庭を挑めるテラスでお茶をしているとき、とんでもない話を唐突に言われてユーリスは思わず飲んでいた紅茶を吹き出し皇帝を訝しげに見遣る。
皇帝はそんなユーリスを気にせずうっとりと目を細め自分の世界に浸っている。
『キスとはいいものだぞ~? マリーはキスをするときいつも恥ずかしそうに顔を赤らめてそれがかわいくてな。唇はぽってりと柔らかく甘く得も言われぬ気持ちよさなのだ。あ、今マリーの唇を想像しただろ?ダメだぞ!マリーは私のものだからな!想像するな!』
いきなり肩を掴まれがくがくと揺すられ迷惑な顔をするユーリスをよそに皇帝は嬉々として説明する。
『それにただ唇を重ねるだけではない。舌を絡めたり唇を食んでみたりいろいろとテクニックがあるのだ。そして高揚感が達すると唇だけでは物足りなくなってすべてを味わいたくなる。ふふっ、その先も知りたいか?女性の体とはどうしてあんなに柔らかく気持ちいいのか、触れたくてたまらなくなるぞ。どうだユーリスもしたくなっただろう。試してみたらどうだ?』
当時皇帝は妃を迎えたばかりで大層溺愛しており、かなりの浮かれようだった。
弟に悪いことを教える兄のようにニヤニヤと知りたくもない情報を聞かせる皇帝に子供になんてことを話すのだと、ユーリスはイタイ者でも見るように蔑んだ目をした。
『ユーリス、キスしたことはあるか?』
『ぶっ!何を突然』
庭を挑めるテラスでお茶をしているとき、とんでもない話を唐突に言われてユーリスは思わず飲んでいた紅茶を吹き出し皇帝を訝しげに見遣る。
皇帝はそんなユーリスを気にせずうっとりと目を細め自分の世界に浸っている。
『キスとはいいものだぞ~? マリーはキスをするときいつも恥ずかしそうに顔を赤らめてそれがかわいくてな。唇はぽってりと柔らかく甘く得も言われぬ気持ちよさなのだ。あ、今マリーの唇を想像しただろ?ダメだぞ!マリーは私のものだからな!想像するな!』
いきなり肩を掴まれがくがくと揺すられ迷惑な顔をするユーリスをよそに皇帝は嬉々として説明する。
『それにただ唇を重ねるだけではない。舌を絡めたり唇を食んでみたりいろいろとテクニックがあるのだ。そして高揚感が達すると唇だけでは物足りなくなってすべてを味わいたくなる。ふふっ、その先も知りたいか?女性の体とはどうしてあんなに柔らかく気持ちいいのか、触れたくてたまらなくなるぞ。どうだユーリスもしたくなっただろう。試してみたらどうだ?』
当時皇帝は妃を迎えたばかりで大層溺愛しており、かなりの浮かれようだった。
弟に悪いことを教える兄のようにニヤニヤと知りたくもない情報を聞かせる皇帝に子供になんてことを話すのだと、ユーリスはイタイ者でも見るように蔑んだ目をした。