仮面の貴公子は不器用令嬢に愛を乞う
『相手がいないので無理です』
『あそこのご令嬢なんてどうだ?』
冷静に返したつもりが、ちょうど前を通っていた令嬢に指を差す皇帝。
『いきなり声を掛けてキスさせてくださいとでも言うんですか?そんなことしたら変態でしょう、あなたは私を犯罪者にしたいんですか?』
『お前が声を掛ければ皆振り向くというのに、もう少し青春を謳歌したらどうだ』
『いや、なにか違う気がする。大体十三歳の子どもに言うことじゃない』
『お、自分を子どもと認識してるのか?妙に大人ぶってると思えばそういうところは素直に子どもと認めるのだな』
『なにを嬉しそうに』
ユーリスは苦々しい思いでにこにこと笑う皇帝を睨む。
皇帝の自分に対する情はひしひしと感じてはいるのだが、正直それは鬱陶しいから妃にすべて向けてくれと思う。
それに皆自分を見て逃げ出すだろう。何を言ってるんだと呆れた。
***
ユーリスが皇帝に鋭い突っ込みをするようになったのは、性懲りもなく『お前も経験したらわかる。興奮するぞ~』と卑猥な話ばかりしてくるせいだ。
ユーリスも男だし興味はある。しかし……。
仮面にそっと触れて頭を振った。
フローラもきっと仮面の下の正体を知れば恐れおののき逃げていくだろう。
触れただけで気持ちが昂るなんて自分で自分が恐ろしい。
フローラには直接触れないように気を付けなくては。と心に誓ったとき婚約解消が頭を過った。
だが今はまだ、そばに置いておきたい。
ユーリスはそう願ってしまった自分を戒めるようにフローラに触れた手を握り締めた。
『あそこのご令嬢なんてどうだ?』
冷静に返したつもりが、ちょうど前を通っていた令嬢に指を差す皇帝。
『いきなり声を掛けてキスさせてくださいとでも言うんですか?そんなことしたら変態でしょう、あなたは私を犯罪者にしたいんですか?』
『お前が声を掛ければ皆振り向くというのに、もう少し青春を謳歌したらどうだ』
『いや、なにか違う気がする。大体十三歳の子どもに言うことじゃない』
『お、自分を子どもと認識してるのか?妙に大人ぶってると思えばそういうところは素直に子どもと認めるのだな』
『なにを嬉しそうに』
ユーリスは苦々しい思いでにこにこと笑う皇帝を睨む。
皇帝の自分に対する情はひしひしと感じてはいるのだが、正直それは鬱陶しいから妃にすべて向けてくれと思う。
それに皆自分を見て逃げ出すだろう。何を言ってるんだと呆れた。
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ユーリスが皇帝に鋭い突っ込みをするようになったのは、性懲りもなく『お前も経験したらわかる。興奮するぞ~』と卑猥な話ばかりしてくるせいだ。
ユーリスも男だし興味はある。しかし……。
仮面にそっと触れて頭を振った。
フローラもきっと仮面の下の正体を知れば恐れおののき逃げていくだろう。
触れただけで気持ちが昂るなんて自分で自分が恐ろしい。
フローラには直接触れないように気を付けなくては。と心に誓ったとき婚約解消が頭を過った。
だが今はまだ、そばに置いておきたい。
ユーリスはそう願ってしまった自分を戒めるようにフローラに触れた手を握り締めた。