訳あり無表情少女と一途な旦那 〜異世界編〜
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ドグに取ってこいと言われたのは、今日入荷する珍しい果物…ネオだ
市場ではただの高級品としてしか扱われないが
闇市では、ある特性を理由に破格の値段で取引される
今夜その取引があるから、絶対に手に入れなきゃいけない
でなきゃ今度こそ…っ

市場の中でも一番多くの果物を扱う店に行き
遠くから様子を見ると

「!?」

店頭に出されてる筈のネオが一個も無い

「…っ、何で…」

店の前に出れば

「いらっしゃい」
「オバさん!今日はあのネオが出てる筈だろ!?」
「アレはもう売り切れたよ」
「なっ…、確か大量に仕入れたんだろ!?
 あんな高いのすぐに売れるかよっ!?」
「それが売れたのさぁ、すまないねぇ
 でも何で大量に仕入れたのを知ってんだい?」
「!…、それは…」

下手な事を言う前に急いでその場から離れる

「クソ…ッ、クソッ!」

まさか一個も無いなんてっ…!
事前にドグの仲間が、あの店が大量に仕入れたと情報を掴んでた
そん中から幾つか盗ってもどうせバレねぇ
だからすぐに終わらせて、アレを貰う筈だったのに…っ!
走りながら周囲を見渡し、ネオを買った奴を探す
ドクンッ…ドクンッ…!
体に痛みが走る
早く…っ、早く見つけねぇと!
市場を抜け、色んな場所を行く中
人気の無い休憩所に、3人
男が2人と、狼?の仮面を付けてフードを被ってる…女か?
茂みに隠れ、様子を見ると
奴等の手にはネオが

「! アイツ等か…!」

腰に付けてる短剣を抜くと

「おい さっさと出てこい」
「!?」

ば…っ、バレてる!?
クソッ!しょうがねぇっ!
短剣を握り締めて茂みから出る


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