砂漠の国でイケメン俺様CEOと秘密結婚⁉︎
奥の扉を開けると、そこは先刻サマラさんから教えられたとおりの寝室だった。
リビングルームと同じティ◯ァニー・ブルーの壁紙を背にして、キングサイズのベッドが置かれている。
天蓋の支柱にはセティのアームと同じく精巧な文様が彫られていて、天蓋の四方からはセティに張られたベルベッドと同じ色のカル◯ィエ・レッドの幕が、純白のレースとともにカーテンのように垂れていた。
——どっひゃあぁー!
アラビアンナイトに出てくるような、お姫さまベッドじゃーんっ‼︎
いや、「お姫さまベッド」にしてはオトナな感じなので「王妃さまベッド」か。
契約書で取り交わしたとおり、あたしは今夜から「あたし専用」のこの特大ベッドで眠ることになる。
早速横たわってみて、ふかふかのduvetに包まれ寝心地を堪能したいところだが、まだ「探検」しなければならないところがある。
あたしは寝室から続くウォーキングクローゼットへと入って行った。
もともと、この地には極力荷物を減らしてやってきたし、まだ来たばかりでほとんど増えていない。
思ったとおり、あたしが持ち込んだ荷物は余裕で納まっていた。
……はずなんだけど。
——なに、これ?