恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
私は彼女が通ったであろう道を歩き、その都度店があればその店の人に聞いて回った。
でも、そんなものは知らない、という返答が続いた。
気づくと最寄り駅まで到着した。一応千秋さんに電話をして確認をしたが、まだ見つかっていないようだ。


どこにいってしまったのだろう。
誰かの手に渡ってしまったのだろうか。だとするとやはり結構まずいと思う。

と、ここで私はあることを思い出した。
これは私が結婚する前、働いていた会社で経験したことだ。
同じ会社の社員が白川瑠璃子さん同様に書類をなくしたことがあった。
その際、確か彼女はトイレにそれを置き忘れていたのだ。でも、トイレを利用したことを忘れていて、発見が遅れた。

私は最寄り駅の女子トイレへ向かった。
女性なら例えば出社してすぐに会社フロアへ行かずにトイレで髪や化粧を整えてから出社する人もいる。


女子トイレに駆け足で入ると私は大きな声を出していた。

「あ!」

入ってすぐ、右側に鏡と洗面台が並ぶ中、一番端にそれらしいものが目に入った。
私はすぐにそれを確認する。
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