恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
嬉しくなってすぐに電話をした。
千秋さんはすぐに電話に出てくれた。一応その中身を確認することは鍵がかかっているためできないけど、特徴を伝えるとおそらくそれであっているという返答を受け、私は走って千秋さんの会社まで向かった。

ビルのエントランスに入ると千秋さんが待っていた。

「これ!」
「すごいよ!まさかトイレだとは…」

息を切らしながら目を丸くする千秋さんに誇らしげに笑って見せる。
本当にありがとう、そう何度も言われた。千秋さんの喜ぶ顔を見ると私まで嬉しくなる。
すると、奥のエレベーターからおりて走ってくる女性が目に入る。
どうやら紛失したであろう本人のようだ。彼女の目は少し赤くて瞼も腫れているようだ。

「ありがとうございます!トイレで髪を整えていたことをすっかり忘れていて」
「いえ。よかったです」


彼女は何度も頭を下げて感謝を伝えてきた。
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