恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
「…あの、白川瑠璃子さんとはどのような関係ですか」
「…え?」

千秋さんは予想していなかったのか、数秒固まってでもすぐに「会社で働いてる子だよ」といった。

そんなことはわかっている。
そもそも今日会ったじゃないか、そういう話じゃない。私は、ムッと頬を膨らませ、千秋さんを睨む。
私の表情を見て、どうしたの?と不安そうに彼の瞳が揺れているのに気づく。

「そんなことはわかってます!そうじゃなくて…」
「うん?でも、会社の子っていうだけだよ。それ以外は何も」
「浮気しているのではないのですか」
「え?!浮気?!」

はい!と私は大きな声で言う。
どうなんだ、もしそうなら…そうだったら…。

本当は浮気なんかされたらとりあえず一発殴ってやろうと思っていた。
でも、千秋さんの綺麗な顔に傷を作るわけにもいかないし、そもそも彼女に本気だったら私は身を引かなければいけない。

人の気持ちはどうしようもできないから。

「…浮気するわけないでしょう?だって俺結婚してるんだよ」
「そんなのわからないじゃないですか。不倫って言葉が存在するくらいですから」
「もしかして、何か見た?」

その言葉に私の心臓が大きく跳ねる。そうだ、あの携帯を見てしまったことを伝えていない。
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