煌めく星を君にあげる
「星の中を飛べるなんて素敵!私も魔法が使えたらなぁ……」

「空を飛ぶくらい、いつだってしてあげるよ!リリーとこんなにも近くにいられるからな」

煌めく星の中を飛びながら、星が大好きなリリーはアレクに今見えている星座や、星座の成り立ちなどを話す。それをアレクは楽しそうに聞き、リリーの知らない星の話をしてくれるのだ。

「リリー、東洋には星に関するロマンチックな話があるんだ」

「ロマンチックな話?」

「昔、神様の着物を織るのが仕事の織姫と牛飼いの真面目な青年彦星が恋に落ち、結婚したんだ。でも二人は結婚してから毎日遊ぶようになり、仕事をしなくなった。これに怒った神様が、二人を天の川の両岸に引き離し、二人は会えなくなってしまった。二人は悲しくて毎日泣き、それを哀れに思った神様は一年に一度だけ二人を会わせると約束したっていうお話」

「素敵ね!でも、一年に一回だけなんてちょっと可哀想な気がするけど……」
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