幼なじみはトップアイドル 〜ちさ姉を好きになっていいのは俺だけ〜
***

 洗面所で顔だけ洗い、部屋を後にした。

 エレベーターで帽子をかぶり、眼鏡を出そうと鞄を探る。
 だが、いくら探っても出てこない。

 ああ、昨日、酔っ払ってたから店に置き忘れてきたのかも知れない。
 しょうがねえな。
 大通りに出て、すぐタクシーが来ればいいけど……

 とにかく、二日酔いと自己嫌悪で、頭がずっとズキズキしていた。
 
 だから、注意散漫になってて、まったく不用意に自動ドアの前に立った。

 扉が開くと同時に、柱の陰にいた男がカメラを構えるのが見えた。

 まずい。

 とっさに下を向いたが、おそらく顔までばっちり映っただろう。

 男はバイクにまたがると爆音とともに走り去っていった。

 やべ。撮られた。

「何かまずいことが起きたときは、とにかくすぐに連絡してください」
 鈴木が常々言っていた言葉を思い出す。
 
 おれはその場で鈴木に電話をした。
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