白詰草は一途に恋を秘め、朝露に濡れる
(この先どうなってしまうのかしら)
アイリとも引き離されてしまった。自分はこれから一体、どこへ連れて行かれると言うのだろう。
でも尋ねたところで、どうせ教えてはもらえないに決まっている。騎士と話したいことだって特になかったし、それは彼にしても同様だろう。
「狭いですか」
だから、その声が自分に向けられたものだと気がつかなかった。ロゼリエッタは目をしばたたかせ、緩慢な仕草で騎士を見やる。
再び青緑色の目と視線が重なり、ロゼリエッタは咄嗟に俯いてしまう。
「狭いですか」
もう一度同じ言葉で問いかけられ、ゆるゆると首を振った。
久し振りに聞く声に涙が溢れそうになる。声色を変えたりすることもなく、ロゼリエッタの知るクロードの声だった。
「クロード様、なのでしょう……?」
たまらずに疑問が口をつく。
夜会でのスタンレー公爵の言及には明確な答えは示されなかった。けれど今なら、二人しかいない今なら答えてくれるかもしれない。
「あなたの婚約者だったクロード・グランハイムは隣国で亡くなっています。もう二度と帰ることはありません」
その淡い希望もたやすく裏切られた。
クロードの瞳と声で、騎士はクロードではないと否定する。
アイリとも引き離されてしまった。自分はこれから一体、どこへ連れて行かれると言うのだろう。
でも尋ねたところで、どうせ教えてはもらえないに決まっている。騎士と話したいことだって特になかったし、それは彼にしても同様だろう。
「狭いですか」
だから、その声が自分に向けられたものだと気がつかなかった。ロゼリエッタは目をしばたたかせ、緩慢な仕草で騎士を見やる。
再び青緑色の目と視線が重なり、ロゼリエッタは咄嗟に俯いてしまう。
「狭いですか」
もう一度同じ言葉で問いかけられ、ゆるゆると首を振った。
久し振りに聞く声に涙が溢れそうになる。声色を変えたりすることもなく、ロゼリエッタの知るクロードの声だった。
「クロード様、なのでしょう……?」
たまらずに疑問が口をつく。
夜会でのスタンレー公爵の言及には明確な答えは示されなかった。けれど今なら、二人しかいない今なら答えてくれるかもしれない。
「あなたの婚約者だったクロード・グランハイムは隣国で亡くなっています。もう二度と帰ることはありません」
その淡い希望もたやすく裏切られた。
クロードの瞳と声で、騎士はクロードではないと否定する。