冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「払えるあてのないヤツの分割なんて、誰が受け付けるんだよ」


おっしゃる通りで。


「すみません。十五万はきついです」


正直に答えると、彼は鼻で笑った。


「休みでよかっただろ?」


私は無言でコクコクうなずく。


「ほんと、すみません」


なぜこんなに親切にしてくれるのかわからないけれど、尋ねて「やめる」と言われたら困るので黙っておく。

あまりの不幸ぶりに同情してくれているような気もするし。


「じゃ行くぞ。今日は、俺は弁護士じゃない。新見さんの友人だ」

「友人?」

「弁護士と名乗って示談交渉すると、会社もおそらく弁護士をつけてくる。そうすると知恵をつけられるだろう。ボイスレコーダーの音声の内容はひどいものだったが、証拠として十分な量ではない。民事を起こしても、〝そのときは腹が立ってうっかり口を滑らせた。反省している〟とでも言われたら、完全勝訴とはいかなくなる」
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