冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
八木沢さんは脅すと言っていたけれど、まさに今がそうだ。
けれども、事実を述べているだけなのが巧妙なところ。


「新見さん、悪かった。勘弁してくれ」


不当人事を訴えた私をこき下ろした下川部長が深々と頭を下げているのが不思議だ。

訴訟と聞いて驚いた彼が、保身のために謝罪しているのはわかっている。

本当に反省しているとはとても思えず、『もういいです』とは言えない。


「彼女がどんな思いで退職届をしたためたか、わかっていらっしゃいますか? あなたは彼女の未来を潰したんです。そんな軽い言葉で、はいそうですかとはなりません。あなた方の未来だけ明るいなんて、許せないのが心情でしょう」


冷静に見える八木沢さんだが、声に怒気がこもっている。


「すみません」


部長は平謝りだ。


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