冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
ひとりで悩んで眉間にしわを寄せ、理不尽なパワハラに無意識に涙を流し、でも後輩を守りたいと顔を真っ赤にして訴えてくる姿を見ていたら、弁護士としての威厳とかどうでもいいんじゃないかと思えた。

そしてこの子の笑顔を取り戻してやりたいなんて、柄にもなく無償で力を貸してしまった。


いや、俺が手を貸したのは別の理由もある。

きっとあのとき――七緒みたいな人間が近くにいれば結果は違ったのに。

そう思ったら、彼女の苦しみが他人事でなくなったのだ。


他人の厄介ごとにあえて首をつっこむ人間は少ないし、最初は味方の顔をしていても、自分に火の粉が降りかかるとわかると、サーッと潮が引くようにいなくなるのが普通だ。

それなのに七緒は、傷だらけになりながら後輩を守ろうとしていた。


セクハラを働く上司に真っ向勝負を挑むなんて、弁護士からしたら最高にまずいやり方だ。

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