冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
でも一方で、やるなと思ったのも否定しない。

ただ、心の中で「勝てよ」と叫びながら、「手を引け」と言いたくなる自分もいた。

セクハラやパワハラの訴訟で、さらに傷ついた依頼人を何人も見てきたからだ。

泣くくらいなら逃げたほうがいいと思い、あえて弁護料が高くつくことも話した。

しかし、上司の理不尽な行為と闘いたいという七緒の強い正義感は、弁護士としての俺のなにかに火をつけた。

彼女を助けたい。
一緒に闘いたい。

こんな熱い想いが滾るのは久しぶりだった。

けれども、客観的な証拠が少なく、なかなか難しいケースだと思ったのも事実だ。

彼女の話しぶりを聞いていると、周囲の同僚は彼女に有利な証言をしてくれそうではあった。

ただ、友人や同僚の証言しかないのは証拠としてはかなり弱い。

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