冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
彼は私に視線を送り、今度は頭を引き寄せて子供をあやすようにポンと叩く。
その『大丈夫』が夕飯を作れていないことではなく、セクハラの件について言われたような気がしたのは考えすぎだろうか。
玄関に入った瞬間、ふわっと抱きしめられて驚いた。
「本当にごめん。俺が婚約者のふりなんてさせたからだ」
それはもういい。本当に婚約者になったのだし。
ただ、過去の話を聞いた彼がどう思ったのかが気になる。
「私……全部話してなくて。ごめんなさい」
「なんで謝る。お前に落ち度などないだろ」
そう言われて、安堵のあまり涙がこぼれそうになった。
襲われたあのとき、周囲の人たちは皆、上司が私にセクハラまがいの行為をしていると知っていたくせして、『隙があった新見が悪い』『新見さんも少しは気があったんじゃないの?』と私を追いつめた。