冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「ニンジンも食べないとお肉はなしです」

「そんな法律、どこにある? 刑法か、民法か?」


彬さんはくだらないことを言いながら、私を座らせてから自分も向かいの席に着き、「いただきます」と手を合わせた。


「民法じゃないかなぁ」
「何条だよ」
「一八二〇条?」


適当な発言をしながら、彬さんのグラスにワインを注ぐ。


「民法は一〇四四条までしかないぞ」


彼も私のグラスに注ごうとするので止めた。


「あ……。妊婦はダメか。ごめん」


私も少しは飲めるけど、お腹に赤ちゃんがいるとわかったからには、無事に出産するまでは控えるつもりだ。


「俺もやめる」

「彬さんは飲んでください。今日はお祝いですし、ね? 民法一〇四五条に、夫は飲むべしと付け足しておきますから」


その優しい気遣いだけで十分だ。赤ちゃんをお腹で育むのは私なのだし。

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