冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
この建設会社の本社社屋は、地下一階地上十二階の立派なビルだ。

面談していた三階からエレベーターで一階まで下りて玄関に向かう途中で足が止まった。


「……彬さん?」


彬さんらしき人が、白髪で眼鏡をかけた男性とこちらに歩いてくるのが見えたのだ。

この会社の顧問弁護士でも引き受けているのかな?

家では互いの仕事について詳しく話さない。

彬さんには守秘義務があり、いくら妻に対してでも弁護士として得た情報を漏らすわけにはいかないからだ。

私も、建設会社のモデルルームの仕事をしているとしか話していない。

素知らぬ顔をして足を進めると、一瞬、彬さんと視線が絡まった。

彼はハッとした顔をしたがすぐにポーカーフェイスに戻り、男性と一緒にエレベーターに乗っていった。

まあ、関係ないよね……。

私は旧姓の新見で仕事をしているので、夫婦だとはわからないはずだ。

< 248 / 342 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop