冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
会議室にお茶を持っていくと、丹下さんが目を丸くして私を見ていた。

尾崎さんも眉間に深いしわを寄せたものの、「それでは会議を始める」という園田部長の言葉で部員たちの視線が私から逸れた。


お茶出しが済むと、部署に戻って黙々と製図を始める。

クライアントと建築士が話し合い、決定した設計図を見ながら、内装や収納について提案するのが私たちの仕事だ。


「この部屋は狭いから、圧迫感のある高い収納はやめたほうがいいかな……」


ひとりでぶつくさ言いながら作業をするのは、声を出して気持ちを奮い立たせていないと、とてもじゃないけど筆が進まないからだ。

ただ、気分が乗らないせいかいいものが描けない。
クライアントへのプレゼンは来週の火曜なのに、これではまずい。

何度も描いてはボツにして、そのうち定時の十七時半を迎えた。

会議は長引いているようで、まだ誰も戻ってくる気配がない。


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