冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
彬さんは、会社に雇われた顧問弁護士なのだ。
亡くなった従業員側ではない。


「会社のほうを、守るの?」


自殺を考えるほど悪い労働環境の会社を、彬さんが弁護するなんて……。

彼のことを〝正義の味方〟のように思っていた私には、衝撃的だった。


違うよね。
たまたま顧問弁護士をやっているだけで、会社を擁護したりしないよね。

弁護士の役割についてあまり知らない私は、動揺で頭が真っ白になる。


電車を降りて改札を出たところで、急に冷や汗が出てきた。


「……お腹が痛い」


急にお腹の張りを感じた私は、その場に座り込む。


「どうかされましたか?」
「お腹が……」


近くにいた女性が声をかけてくれた瞬間、涙がこぼれてくる。


「だ、大丈夫ですか? 駅員さん呼びます」
「お……」


『お願いします』と言おうとしたのに、涙があふれてきて声が出ない。

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