冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「七緒」


帰宅してから一時間。
玄関から彬さんの声が聞こえてきて、思わず笑顔になる。

バタバタと足音がしたあと、ベッドルームのドアが開いた。


「大丈夫か?」

「はい。点滴が効いたみたいで、すっかり落ち着いてます」


お腹の張りはまったく感じられない。


「よかった。……実家は?」
「あれっ、帰ってほしかったですか?」


いつもイジワルされるので、今日はお返しだ。


「いや。俺……ちゃんと家事するから。元気な子を生んでくれ」


からかったつもりなのに、妙に深刻な雰囲気で焦る。


「脱いだものはかごの中です」
「はい」
「食器は食洗機に入れてください」
「わかりました」


彼を元気づけたくて茶化した口調で言うと、真面目な顔で返事をするのがおかしくて噴き出した。

すると、彼もようやく笑顔を見せる。

よかった。笑ってくれた。

< 282 / 342 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop