冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
それを聞き、無意識に眉間にしわが寄ってしまった。

亡くなった人の責任を追及するなんて。

そもそも鬱でつらければ通院がままならなくてもおかしくないし、親御さんが状況を改善しようとしなかったなんて、勝手すぎる言い分だ。


「七緒の反応が正しい。過失相殺を争うが、過労自殺案件ではあまり認められない。実際、家族の過失による過失相殺を認めないという判決を最高裁が下した例もある」

「よかった……」


そう漏らしたけれど、彬さんは企業側の弁護をしなければならないのだから、よくはないのだろう。


「今までの判例から鑑みて、西岩建設はかなりの損害賠償を背負うことになる。でも、それを一円でも減らせというのが、俺に与えられた仕事だ。今、社内では超過勤務について漏らさないようにとかん口令が敷かれつつある。漏らしたら即クビだと圧力をかけてね」

「パワハラじゃない」

「そう。パワハラだ」


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