冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
しかし手放せないでいるうちに切迫早産となり、やはりそばに置くべきではないかもしれないと思った。

ふたりでマンションに帰ると彼女まで写真を撮られかねないため、九条に七緒を託した。

そして実家に帰るという選択肢も示したのだが、マンションにとどまった彼女を見て、どれだけうれしかったか。

きっと落ち着ける実家のほうがいいだろう。

そばにいてほしいのが自分のわがままだともわかっている。

でも、彼女のいない生活がもう考えられなくなっているのだ。


『彬さんの支えにならせてよ』と口にする七緒がかわいくてたまらない。

出会ったばかりの頃は俺が彼女を助けていたが、今は俺が助けられてばかりいる。

七緒を必ず守る。彼女と子供を幸せにする。

俺は改めてそう決意した。



生命力あふれる青葉のみずみずしい香りを含んだ薫風(くんぷう)が吹いたその日。

< 293 / 342 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop