冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
そう思わせてくれるのが、七緒という女なのだ。


「彬さんも抱いてください」
「あぁ」


赤ちゃんは想像していたよりずっと小さく、少し力を入れようものなら折れてしまいそうだ。

おそるおそる受け取り、初めての温もりを味わった。


「初めまして。パ、パパです」


俺がそう言った瞬間、七緒が口を押さえてクスクス笑い始める。


「なんだよ」
「かわいいなと思って」


赤ちゃんが? いや、俺か?


たしかにキャラじゃない。
でも、この上ない幸せに包まれた。



退院してきた七緒と我が息子、櫂(かい)。

新しい生活が始まって一カ月ほど経っても、てんてこ舞いが続いている。


「もー!」


日曜日の昼下がり。
七緒が悲壮な声をあげているのは、抱っこでようやく寝た櫂が、ベッドに下ろした瞬間泣きだしたからだ。


「ママは一瞬で寝られるのに」


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