冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「俺はきりのいいところまでやってから戻る」
「それじゃ、お先」


九条さんはコーヒーも飲まず、そそくさと出ていった。

ふたりを観察している場合ではない。製図を済ませないと。

再び仕事を始めた様子の八木沢さんから視線を外し、イメージを絵にし始めた。
けれども、ちっとも手が動かない。

この作品が私のインテリアコーディネーターとしての最後の仕事になるのではないかという不安と、園田部長に直談判したのに尾崎さんを救えていないという自分の無力さに打ちひしがれて、イメージが湧いてこないのだ。

気分を変えるためにアボカドサンドをひと口頬張ってはみたけれど、いつものようにおいしく感じられなかった。


「大丈夫じゃないみたいですね」
「えっ? ……あっ」


気がつくと目の前に八木沢さんがいて驚いた。
彼は「ここ、いいですか?」と私に声をかけてから正面の席に座る。


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