冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「俺が弁護士になったのは、親父の死に納得がいかなかったからだ。超過勤務の証拠がないから過労死ではないなんて、とても了承できるものではない。ただ、民事訴訟は原告に立証責任がある。お袋も代理人弁護士も、証拠集めに苦労したそうだ」


被害者のほうが証拠を提示しなければならないのか。

お父さまを亡くしたばかりではつらい作業だっただろう。


「それでも判決まで闘えば、結果は違ったかもしれない。でも……」


彬さんは唇を噛みしめてしばらく黙り込む。

急かさず待っていると、大きく息を吸った彼は再び話しだした。


「その当時の弁護士に話を聞いたんだが、西岩の弁護士がお袋に、『今、和解するなら千七百万支払う。和解しないのであれば、今後は和解のテーブルにはつかない。それなりの証拠を準備しているので、賠償金なしの判決もあり得る』と吹き込んだようだ」

「脅しじゃない」


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