冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「まずいだろうな。でも真実はひとつだけだ。今回は克明(こくめい)な勤怠状況を記した書類が存在しているから言い逃れはできないが、親父のときはそれがなかった。それをいいことに、西岩の幹部は過去に超過勤務はなかったと俺に話す。そこをつく。それで全部終わらせる。心配いらない」


彬さんの話は私にはよく理解できない。

嘘があるのを指摘するのはわかったが、終わらせるって?
会社が責任を問われるのは確定なのだろうけど、彬さんの立場は?

それ以上はまだ明かせないのだろうか。

しかし『心配いらない』と彼がはっきり口にするのだから、私は待つだけでいいのかもしれない。

だって、『七緒と櫂とで前を向いて歩いていきたい』と言ってくれたのだから。


「彬さん」
「ん?」
「裁判のときは私たちのことは忘れて、思う存分闘ってきてください」


そう伝えたが、彬さんは首を横に振る。
< 318 / 342 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop