冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
彼がいつも購入するのは、粒餡を求肥で包んだシンプルなお饅頭だ。

小豆の味が前面に出ていて甘すぎないところを気に入っているらしい。


この店の和菓子はどれも上品な味なのだ。

隣に腰掛けて、私も練りきりを食べ始める。


「妊娠中は体重に気をつけないといけなかったから、甘いものも食べられなくて……」
「そうだったな」


つい先日のことなのに、いろいろありすぎてもうずいぶん昔のように感じる。


「で、母乳で育てるとなったら、やっぱり甘いものの食べすぎはダメで……」


母乳でカロリーを消費するからか、食べてもすぐにお腹が空く。

だからといってスナック菓子やケーキ、そして和菓子をパクパク食べるわけにもいかない。

食べたものが母乳に影響してしまうからだ。


「子育てって、親の努力の結晶だな。特に母親の」


彼は、亡くなったお義母さんのことを考えている気がする。

< 338 / 342 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop