冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「バカ野郎! 死にたいのか!」


乗用車の窓を開けて怒鳴られ、ハッとする。
大通りの歩行者信号が赤だったのだ。


「すみません」


私の代わりに謝ったのは、腕を引いて助けてくれた男性だ。


「なにやってんだ」
「あ……」


私を叱ったのが八木沢さんだったので、驚きで声が漏れる。
まさか彼に助けられるとは。


「ごめんなさい」


彼の顔を見た瞬間、我慢していた涙があふれてきた。


「本当にごめんな……」


嗚咽が止まらなくなり話せなくなると、彼は私を立たせてくれる。


「とりあえず、うちの事務所に行くぞ」


八木沢さんは私の返事を聞くことなく、手を引いた。


彼が勤める朝日法律事務所は、La mer TOKYOの三十階にあった。

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