冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「そうだったのか。無神経なことを、すまない」
「いえ」


彼の意見は間違っていない。

自分を守るためには、知らないふりをすればよかった。

でも、自分がセクハラを経験して職まで失っているので、尾崎さんに感情移入して耐えられなかったのだ。

その結果、今度はパワハラでやっと得た仕事を手放さなければならなくなっているのが皮肉だ。


「そうか……。名前、聞いてなかったな」

「新見七緒と言います」

「新見さんね。ちょっと待ってて」


彼は私を置いて部屋を出ていき、なにやら厚いファイルを持って戻ってきた。

そしてそのファイルをめくり、中から一枚のレジュメを取り出してデスクに置く。


「俺は企業法規を得意としている。だからセクハラもパワハラも嫌と言うほど扱ってきた」

「はい」

「本当は料金が発生する説明だが、貧乏くじ引きすぎで見ていられないから……」


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