冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
『そんな会社辞めれば?』と軽い口ぶりだったが、悲惨な現実があると知っているからこそ口から出てきた言葉なんだろうなと感じた。


「助けていただいた上、お時間まで割いていただいてすみませんでした。ちょっと足りないですけど、持っているだけお支払いします」


彼の話をすべて理解したかと言えば怪しいけれど、知らないことだらけで勉強になった。

それに、どうしたら今の仕事にしがみつけるかだけを考えていたが、辞めるという選択肢があることも示唆してくれた。


今はまだ辞めるという気持ちにはなれないものの、いろんな可能性を考えたい。


私は財布を出して千円札を六枚取り出した。


「これしかなくて……ごめんなさい」


職を失う可能性があるのだから、六千円でも痛い。
でも、専門の知識を授けてもらったのだから支払わなくては。

差し出すと、怪訝な顔をした八木沢さんは受け取った。


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