冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「そう。銀座の寿司屋よりうまい。だから全部食べろよ」


弁護士命令?

彼は威圧的な言い方をするが、私を心配してくれているのはわかる。


「こういうお店にも来られるんですね。ちょっと意外です」


それこそ銀座のお寿司屋さんで上品にお寿司をつまんでいる姿が思い浮かぶ。


「疲れたときはこういうところがいい」
「疲れたとき?」


あぁ、まさに今の私だ。
食事がのどを通らないほど心が疲弊している。

たしかに、こんなときに高級レストランに連れていかれても落ち着かないかもしれない。


「顔にご飯粒つけてても、誰も気にしない」
「つけませんよ!」


そんな子供じゃないし。と思ったけれど、いつの間にか表情が緩んでいた。


「もう大丈夫だから、全部忘れて今は食べろ。話はあとだ」


まだ数回しか会っていないのに、八木沢さんに『大丈夫』と言われると、本当に大丈夫な気がするから不思議だ。

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