きみは溶けて、ここにいて【完】
「……告白、しようと思ってるんだよね」
はにかんで、ツインテールを指に巻き付ける久美ちゃんは、きっと、鮫島君に彼女がいることを知らないのだと思った。
どうしよう。伝えるべきだろうか。
伝えないほうがいいのだろうか。
伝えたら、久美ちゃんは絶対に悲しむ。
自分が告げた事実で、久美ちゃんが悲しい顔をするところを想像したら、どうにも苦しくて。それに、もしかしたらもう別れているかもしれない。だけど、伝えずにいたら、久美ちゃんは鮫島君に告白して、きっと振られてしまう。
どのみち、久美ちゃんは悲しい思いをしてしまうような気がした。
「……久美ちゃん」
「どうしたの? え、まさか、やっぱり、文子ちゃんも好きなの?」
「ううん、違う。違うよ。……なんでもないや」
久美ちゃんは、ちら、と、鮫島君の方を一度だけ見て、それから照れくさそうに頬をゆるめた。
本当に、可愛い女の子。
私なんかと仲良くしてくれる貴重なひと。
だから、久美ちゃんには、悲しんでほしくない。
私は、どうすればいいんだろう。