きみは溶けて、ここにいて【完】
目に映ったのは、複数の男の子たちがベランダではしゃいでいる姿。
自分の教室のベランダだ。
その中には、森田君もいた。
クラスでも影響力のある人たちが、ベランダの淵に肘をつけて、楽しそうに談笑している。私の方を見ている人なんて、誰もいない。
そっと、視線を下ろして、水やりを再開する。
だけど、楽しそうな笑い声が鼓膜に届くたびに、だんだんと怖くなってきてしまった。
本当に私は自意識が過剰だ。
分かっている。そういう、過剰さは恥ずかしいものだということも。
だけど、集団で笑い合っていて、その視界に入りそうな存在が自分だけであるとき、自分が見つかってしまったら、何かこっそりと嫌なことを言われてしまうんじゃないかって思ってしまうのだ。
自分のことなんて話題になるはずがないって分かっていても、何か言われてるんじゃないかって、笑いのネタにされてるんじゃないかって。
どうして、そんな風に思ってしまうのかは分からない。ずっと昔から、そうだった。
自分の弱さとか、情けなさが、本当は、みんなにも全部透けていて、何かの拍子に、いつでもそれが馬鹿にされうるような気がして、そのことが、本当に、怖い。