きみは溶けて、ここにいて【完】




「え、」

「鮫島と有賀さん」

「……どうして、」



 有賀とは久美ちゃんの名字だ。

どうして、森田君がそのことを知っているのだろうか。影君は、記憶を共有しないと言っていたはずだ。

一瞬だけ、影君を責めるような気持が生まれてしまって、慌てて蓋をする。




「……影君に、聞いたの?」

「影? 影は別に関係ないだろ。鮫島に聞いた。別に、鮫島、言いふらしてたわけじゃないよ。たまたま、有賀さんが告った後に、俺と会ってそういう話になっただけ。有賀さんが今日の昼、泣いてたから、どうせ、保志さんも、落ち込んでんだろうなって思って」



 どうせ。
少しだけ、私にとっては棘みたいな言葉。


だけど、気にせず、へらりと笑って、首を横に振る。落ち込んでいる。だけど、それが森田君に見透かされているのかと思ったら、恥ずかしかった。

やっぱり、私の弱さとか情けなさは、透け透けなのかもしれない。

隠せない自分の未熟さが嫌いだ。



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