きみは溶けて、ここにいて【完】
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保志 文子様
遅れてしまい、本当にごめんなさい。理由はあるのだけど、うまく言えなくて、それもごめん。だけど、文子さんのせいでは絶対にないから、もしも、何か、不安にさせてしまっていたら、ごめん。
文子さん、お元気ですか。僕は、文子さんと、花を見に行ったこと、蕎麦を食べたこと、夢に見ます。
僕の夢なのか、陽の夢なのか、うまく分からないけど、とにかく、僕は、その夢を見る度に、また、文子さんに会いたくなって、そう思っているうちは、今は僕であるということを信じることができて、安心します。
大変、分かりにくいことを言ってしまって、混乱させていたら、ごめん。
それで、今日は、文子さんに、またひとつ言いたいことがあって手紙でそれを伝えようと思います。もうすこしで、林間学校があると思うのだけど、僕ら、夜に、会えないでしょうか。キャンプファイヤーのときに、どうですか。
夜なら、僕になれる気がして。だけど、きっと、すごく難しいことだから、少しでも嫌だったら断ってください。僕のことは考えなくていいです。
ただ、僕は会いたくて。その気持ちが、文子さんに伝わっているなら、それで、もういいから。前に会った日に、文子さんが僕にまた会いたいと言ってくれて、僕もいま、調子に乗って、会いたいと書いててしまっている。
ああ、違う。文子さんのせいにしているわけではないんです。ただ、嬉しくて。それを伝えてみたいと思えることもやっぱり嬉しくて。いつも嬉しいという気持ちばかりを綴ってしまって、ごめん。
相変わらず、僕は、あなたへの手紙を書くとき、ボールペンを選んでしまって、だめです。それでも、またこうして手紙が書けて嬉しい。大変遅れてしまった分際で、返事、待っています。暑い日が続いているようですが、ご自愛ください。
森田 影
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