Don't let me go, Prince!


 弥生さんからメッセージが届いたのは電話で話してから4日後。それまで彼からは電話がかかってくることは一度も無かった。

『こんにちは。渚さん、××日と○○日ならどちらが都合がいいですか?』

 うーん、見事に用件のみだわ。このメッセージを見ていると、弥生さんは本当に私と食事に行きたいのだろうかと疑ってしまいそうになるの。

「こんにちは。私はどちらでも大丈夫です、弥生さんの都合の良い方でお願いします。」

 返信すると、数分もしないうちにまた弥生さんからメッセージ。すぐに返事をくれたことにちょっとホッとする。

『では××日にしましょう。予約を入れておきます。』

「はい。分かりました。予約お願いします。」

『では、××日の17時に駅で待ち合せましょう。いいですか?』

 弥生さんがサクサクと予定を決めていく。ああ、きっとこういうのに慣れているんでしょうね。モテそうだものね、弥生さんかっこいいし。
 ちょっとだけ心に引っ掛かりを感じたような気がするけれど、何もなかったことにする。

「はい。大丈夫です。」

 メッセージのやり取りが終わって、少し考える。弥生さんともう少し普通の会話もしてみたいなって。聞いてみたいこともいろいろあるのよ。
 でもまだ、弥生さんのプライベートを聞けるほどの距離にはいない気がするの。

「今度の食事で聞けばいいわよね。」

 私はいそいそとクローゼットから彼と食事に行く日のための服を選ぶ。何かしら、このデートにでも行くようなソワソワした気持ちは。

「弥生さんとデート……?まさかね。」

 そんな風に考えてしまうのは……私だけよね、きっと。

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