Don't let me go, Prince!
組み立てが終わり従業員も部屋を出て行く。ポツンと部屋に残されて、ただフィットネスバイクと睨めっこしてるだけ。
昨日は弥生さんと少しだけ何かが通じたような気がしたんだけれど。やっぱりそう簡単にいくのなら半年もあんな結婚生活にはならないわよね。
溜息をついてベッドに寝転がる。夜はここで弥生さんと一緒に眠ったのよね?今日ももしかして一緒に眠ってくれるのかしら?そんな淡い期待を持ちながら目を閉じた。
【ピピッ、ピピッ、ピピッ……】
時計のアラームで目を覚ます。セットしておいた時間は弥生さんが帰ってくると言っていた19時の10分前。時間を確認して起き上がる。
洗面所に行き身なりを整えてると、ドアの鍵を開錠する音が聞こえすぐに弥生さんが戻って来た事が分かる。私は急いでドアへと向かった。
「渚、今帰りました。どうでしたか、フィットネスバイクは?」
「お帰りなさい、弥生さん。まだ使ってないの、ごめんなさい。」
弥生さんは部屋の邪魔にならない場所に設置されたバイクをジッと見た後、「食事を取ってきます」と言って部屋から出て行った。やっぱり本心では怒っていたりするの?
その後は2人で食事を取った後、弥生さんに先にお風呂に入ってもらった。私には……彼との勝負の準備があるから。
紙袋から今日身に着けるものを探す。1つだけ混じっていた淡いピンクのフリル……何となくそれを選んだ。
弥生さんと変わりお風呂にゆっくりと入る。今日、弥生さんに尋ねたいことを選ばなければいけない。聞きたいことは沢山あるのにね。
身体を十分に温めると、バスルームから出て丁寧に体を拭いていく。持ってきた下着をつけて長い髪をしっかりと乾かした。新しく用意されたパジャマを着て部屋に戻る。
「さあ、私は準備出来たわよ。弥生さんは大丈夫?」
なるべく強い口調で弥生さんに問いかける。気合を入れなければ逃げたしてしまいそうになるから。
「ええ、私に答えられるものならばきちんと答えます。渚との約束ですから。」