御曹司にビジネス婚を提案されたけどもしかしてこれは溺愛婚ですか?
「今まで無駄だと思っていた時間が美音さんの笑顔を見ると貴重な時間に思えるようになりました。お金を1円も生み出さないこの時間に時間を掛けたくなるのです。非効率的過ぎるこの思考は私のビジネスモデルからかけ離れ過ぎている。でも、この非効率なビジネスモデルから何が生み出されるのか興味を持ちました」

「じゃあ、続けていただけますか?」

「本当にこのまま続けていいのですね?」

「はい。そのために私は日々勉強に励んでいるのですから」

「ありがとうございます。でも、これだけは言っておきます。このビジネスモデルの検証には長い時間がかかると思います。生涯を要することもあるでしょう。検証が終わるまで私は美音さんを誰にも渡すつもりはありません。ヘッドハンティングがあろうと全て断ってくださいね」

ヘッドハンティングとはさすが仕事脳。

「その時は玲音さんとの生活とヘッドハンティング先の生活を比較検討してご相談します」

「それは困りました。より良い職場環境を整えましょう」

「なら敬語なしOKで! 面倒なんですよ。それにもっと」

「もっと?」

仲良くなりたいなんて言ったら玲音は困るかもしれない。

「もっと仲良し夫婦に見えるだろうし」

「そうですか。分かりました。では敬語無しで問題ありません」

「玲音さんも」
< 117 / 129 >

この作品をシェア

pagetop