御曹司にビジネス婚を提案されたけどもしかしてこれは溺愛婚ですか?
ホワイト、エメラルドグリーン、ブラック、ピンクなどカラフルに取り揃えられ、ひざ丈から足元を覆う長さまで用意されており、生地もツルツルしたものからしっかりしたもの、透け感のあるものまで様々だ。

ちょっとしたブティックでも開けそうな品揃え。

ドレスに負けず劣らずのラインナップで靴とバックも用意されていた。

「この中から自分で選べと?」

途方に暮れる。
これまで私が選んでいたものは大量生産、大量販売の服でこんなドレスなんて夢のまた夢。

雑誌で見ることはあっても自分が着る視点で見たことがない。

一体どれが自分に合うのだろうか。

とりあえずピンクの膝丈シフォンドレスを手に持って体に当ててみるが、当たり前のように似合わない。

藍色のタイトなロングドレスを手に取ってみるがどう考えても横、特にお腹部分が収まりそうもない。

様々なドレスを体に当てながら困っていると部屋の電話が鳴った。
時計を見ると既に30分も経過していた。

怒っているだろうなと思いながら私は受話器を取った。

「もしもし」

「咲羽です。あとどれくらいかかりますでしょうか?」

「すみません。自分ではどれが合うのかが分からなくて苦戦しています」

間があり「分かりました。後程そちらに人をよこします。終わったらロビーに降りてきてください」と言って一方的に電話が切られた。
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