御曹司にビジネス婚を提案されたけどもしかしてこれは溺愛婚ですか?
やっぱり怒っているんだ、どれでもいいから適当に着ればよかったと後悔していると部屋の扉が叩かれた。

ドアスコープで廊下を見るとそこには綺麗な女性が立っていた。服装は白いブラウスにタイトな黒のスカート。おそらくホテルの従業員だろう。

扉を開けると、彼女は音が抜けるようなフランス語的発音で何か捲し立て、私の体を肩、脇、胸、腰、お尻の順で触り、リビングにある服をチェックし始めた。

おそらく彼がよこすと言った人だろう。

彼女が選んだ服を次々に着て、4着目でようやく彼女の納得がいったようだ。

そしてサテン生地の紺色のAラインドレスに合う靴もバックも選んでくれて、最後に彼女と一緒に入ってきたメイク道具で日本人顔の私にはちょっと合わない真っ赤な口紅にしっかりめのアイメイク、頬を強調した濃すぎるメイクをされた。

彼女は出来上がりに満足し、笑顔で私の部屋を出て行った。

まるでハリケーンのような早さだった。

って感心している場合じゃなかった。彼を待たせているんだ。

私はバッグに貴重品を入れ、ロビーに向かった。

ホテルの外で待っていたタクシーに乗るようにとホテルの従業員に言われ案内されるままにタクシーに乗った。

タクシーが止まるとドアが開き、黒のタキシードを着た彼が出迎えてくれた。
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