御曹司にビジネス婚を提案されたけどもしかしてこれは溺愛婚ですか?
他の店はパンを選ぶ客でにぎわっていたがここは他の店舗よりも品数が少ないからだろうか、店内に入るとすぐに買って出て行く客ばかりで私が多少もたついても大丈夫そうな雰囲気だった。

店内にはケーキ屋さんのようにショーケースがあり、その中にパンがいくつも並べられている。
テーブル席が1席だけ設けられていて店内でも食べられるようだ。

私は店に入り、美味しそうなパンを一つ一つプライスタグと一緒に吟味する。
この二日間、全ての移動と食事は彼が出してくれているので少し余裕がある。それでもこれからのことを考えればあまり贅沢はできない。

客が落ち着いたところで指でさしながらパンを頼み、飲み物はスマホアプリで自動翻訳させてカフェオレを注文した。

まん丸したおばさんは何か話しているが何を言っているか分からないのでとりあえず『ここで食べます』とスマホで翻訳させてみせると彼女は笑顔で頷いた。

そしてキャッシャーに表示されている数字を指さしたので支払いをするようにと言われたのだと理解し、10ユーロ紙幣を2枚差し出した。
合っているかも分からないおつりを受け取り財布にしまい、用意されたカフェオレとパンが乗ったプレートを持って席に移動する。
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