御曹司にビジネス婚を提案されたけどもしかしてこれは溺愛婚ですか?
豊潤な香りに全てを忘れ、私はパンに夢中になった。

掴んだ瞬間パリパリと音を立てるクロワッサンに噛みつくと甘い風味が口の中を支配した。パリとしっとりが上手く共存し合うこの食感。

カフェオレを流し入れると優しいほろ苦さで口の中を更に豊かにしてくれる。

これぞまさに至福の時。

あっという間にクロワッサンを食べ終えた。
次に私が手に取ったのはゆで玉子や生ハム、トマトやレタスなどが挟まれているバケットサンドだ。

口を大きく開けてかぶりつくとパリパリっとした後に歯ごたえ十分な弾力と次第に口の中で交わり始める食のハーモニーを楽しむ。

他のパンに比べると高かったが奮発した甲斐のある満足感。

胸元のネックレスをぎゅっと握り母や父に感謝を伝える。

二人が私を産んでくれなければこんなに美味しパンをフランスで味わう事なんてできなかったはずだ。

満面の笑みを浮かべて食べていると暇になったまん丸したおばさんが何か言った。

セブン?と聞こえた気がするがコンビニに行きたいのだろうか。

私が首をかしげているとおばさんはスマホに話しかけ自動翻訳で機械的な音声を流し始めた。
おそらく中国語だろうが、全く分からない。
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