ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜
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『続いてのニュースです。昨夜10時過ぎ、荻野町の路上で20代の女性が何者かに襲われました。首には2つの刺し傷があり、調べによると女性は記憶がないと……』
テレビの前を通り過ぎて、もう一度戻る。なにやら物騒な事件だ。
「通り魔かな? こういうの、こわいね。荻野ってどのあたりだろう」
「意外と近かったりして〜」
「もう、やめてよぉ」
ぶるっと身震いがして、隣に座ったお姉ちゃんの腕にしがみつく。
「転校初日に、物騒だねぇ」とキッチンへ戻るおばあちゃんは、あまり気に止めていなさそうだった。
テーブルにレモネードとハニートーストが置いてある。こんなおしゃれな朝食は初めて。いつもお味噌汁とご飯だったから、胸が踊ってしまう。
食べ終える頃には、すっかりニュースのことなんて頭から抜けていた。
丘を下りたところに、私の通う高校がある。お姉ちゃんと同じところが良かったけど、学校側の都合で1人しか受け入れてもらえなかった。
そんなことある? ってお父さんに詰め寄ったけど、無理らしいの一点張りで仕方なく。
村にしては、それなりの大きさのある校舎。もっと少人数をイメージしていたから、意外だった。
『続いてのニュースです。昨夜10時過ぎ、荻野町の路上で20代の女性が何者かに襲われました。首には2つの刺し傷があり、調べによると女性は記憶がないと……』
テレビの前を通り過ぎて、もう一度戻る。なにやら物騒な事件だ。
「通り魔かな? こういうの、こわいね。荻野ってどのあたりだろう」
「意外と近かったりして〜」
「もう、やめてよぉ」
ぶるっと身震いがして、隣に座ったお姉ちゃんの腕にしがみつく。
「転校初日に、物騒だねぇ」とキッチンへ戻るおばあちゃんは、あまり気に止めていなさそうだった。
テーブルにレモネードとハニートーストが置いてある。こんなおしゃれな朝食は初めて。いつもお味噌汁とご飯だったから、胸が踊ってしまう。
食べ終える頃には、すっかりニュースのことなんて頭から抜けていた。
丘を下りたところに、私の通う高校がある。お姉ちゃんと同じところが良かったけど、学校側の都合で1人しか受け入れてもらえなかった。
そんなことある? ってお父さんに詰め寄ったけど、無理らしいの一点張りで仕方なく。
村にしては、それなりの大きさのある校舎。もっと少人数をイメージしていたから、意外だった。