今日から騎士団長の愛娘!?~虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです~
 パパにそっと窘められて、ヴィオラはハッとしたように握り締めていた私の手を解くと、丁寧なお辞儀と共に優美に挨拶を口にした。
 予想だにしない展開の連続に、私はますます混乱する。
「えぇっと。ヴィオラは……ううん、皆は私が火を放ったとは思っていないの?」
「なにを言っているんだ! どうして俺たちがリリーが火を放ったなどと疑うんだ!?」
 混乱のまま、思わず本音をポロリと零せば、即座にパパが否定する。その横では、ヴィオラがキョトンとした顔をしていた。
「それよりリリー! こんなに遅い時間にどうして庭なんかに出ていたんだ? 敷地内とはいえ、暗くて足元も危ないだろう」
「ご、ごめんなさい」
 勢いに押されるように謝罪を口にしてみたものの、相変わらず脳内には疑問符がいっぱいだ。
「ふふふ。アルベルト様ったら、すっかり心配症のパパになられて」
 ……心配?
 ヴィオラが告げたひと言が、頭の中に反響していた。パパは、私の放火を疑って怒っていたんじゃなくて、心配していた?
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