今日から騎士団長の愛娘!?~虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです~
「こらヴィオラ、揶揄うんじゃない」
 パパは少し気まずそうに早口でヴィオラを窘め、スイッと目線を泳がせた。
「まぁ、ふふふ」
 ヴィオラはそれに、コロコロとした笑みを零していた。
 その様子を見るともなしに眺めながら、なんとなくふたりの雰囲気がゲームの中のギラギラした恋愛モードより、もっとのんびりとした雰囲気に感じた。
「それで? リリーはどうしてこんな時間に庭にいたんだ? 別に怒っているわけではない。ただ、なにがあってここにいたのか、ちゃんと理由を知っておきたい」
 パパは先の質問を有耶無耶のままにはしておいてくれないらしい。
 カラカラに渇いた喉に、ゴクリとひとつ唾を飲む。なんと答えたらいいか見当もつかないまま、唇を開く。
「ベ、ベルが……」
「ベルがどうした?」
 突然名前を出されたベルが、『え? わし?』というようにギョッとした様子で私を見上げる。
「ベルのおトイレに付き合ったの!」
 ほとんど無意識のまま、気づけば勝手にこんな台詞が口を衝いて出ていた。
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