悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
袖口も裾もレースなどが施され、派手なパーティー衣装かと感じるほどだ。かえってそちらの方が悪目立ちするのではないかと、ちょっと恥ずかしい。

すると、ざっと衣装室を片付けている令嬢達が、アメリアを見てた。そのうちの一人が、こう教える。

「白薔薇派の令嬢達が、最低限に、と定めているお洒落マナーの一つですわ」

白薔薇、ねぇ……そういえば訊くタイミングを逃していたな、とアメリアは思い出した。思い返せばエリオットも、すんなりと納得していた。

もしかしたら、彼は知っているのかもしれない。

そう思って目を向けた時、大まかに片付け終わった令嬢達が、改めてエリオットの姿を眺めて、ほぅっと熱い息をもらした。

「それにしても、殿下まで行ってくださるなんて」

「アメリア様だけでなく、そのご婚約者様であらせられる殿下も、なんてお優しい方なのかしら」

彼女達は、見惚れてこそこそと騒いでいる。

第二王子エリオットは、確かにどこから眺めても誰もが口を揃えて言う美男子である。待ち合い用の椅子に腰かけ、急きょ用意されたティーセットで紅茶を飲む姿も様になっている。

――私が、もし何も知らないただの女の子だったとしたのなら、彼女達のように素敵な男性だと憧れてトキメイたりしたのかしら?

< 101 / 230 >

この作品をシェア

pagetop