悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
「言っておきますが、俺らは殿下が持つ部隊の騎士であって、お嬢様の部下じゃないんで」

「うん、それは知ってるわよ。そもそも私に部下がいる方がおかしいから。いや、そうじゃなくって、ちょっと、こう、なんか礼儀とか――」

知らず知らず素の口調で喋らされているアメリアの隣で、エリオットがそれをやや上機嫌に聞いている。

「一応許可はもらってるんですけどね。まぁ、それでこの人選なんですが、それはいいか。お嬢様って、見かけによらず鈍くて流されやすいタイプみたいですね」

「それ、どういう意味?」

「不安にならなくて結構ですよ。俺ら流で〝好印象〟て言い方です」

実に嘘っぽい。アメリアは、心もこもっていないように喋ってくる彼らを、じーっと見つめてしまった。

二人の護衛騎士が、しれーっとして視線をそらす。

「着いたぞ、ここだ」

そんなエリオットの声かして、アメリアは目を戻した。

なんだか若干笑っていたようにも感じた。しかし、サロンの扉が目に飛び込んできた途端に、そんなことなど頭の名かから吹き飛んだ。

「うわっ、真っ白で金の装飾!」

白亜の彫刻で見られるようなそれが、扉になっていて驚いた。

そんなアメリアを護衛騎士達が見つつ、前に進んで扉へ手をかける。エリオットがサロンの入り口を、ポカンと見ているアメリアに言った。

「それは当然だろう。ここは後宮管轄の特別なサロンだ」

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