悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
直後、ヴァレンティーナだけでなく、その後ろにいた令嬢達も過剰に反応して目を吊り上げた。

「どうせ、どこぞの殿方達の追っかけでしょう!」

「それなのにファンを軽々しく口にするだなんてっ、許しがたいですわ!」

「あの、えぇと正式にはファンではなく味方というか――」

「わたくし達以上に、ミッシェル様を尊敬して〝押し〟ている派閥はいませんわ!」

「え? 〝推し〟?」

アメリアは、一番のファンとして言葉を聞き取り間違えた。

まるでツンデレでも発動したみたいに、ヴァレンティーナ達が勢いを続けて言い出した。

「女性でありながら、身から溢れる高貴なるイケメンオーラ!」

「昔からチェックしておりましたわ!」

「けれど、当時はなかなか表に出てこられないお方っ」

「貴重なご出席にようやく居合わせられても、声をかけるだなんてタイミングはなく、ぜひ着飾らせて欲しいと、どんなに思っていたことかっ」

長い療養生活を終え、ようやく社交界に顔を出してくれるようになった。しかし今度は、次から次へとミッシェルへ縁談話が押し寄せた。

おかげで、声をかけるタイミングを逃し続けている間に、接触の機会も激減したのだという。

「そもそも、そんじょそこらの殿方が、気安く求婚していいお方ではございませんわ!」

カッと目を見開いて、ヴァレンティーナが切れ顔で主張した。

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