悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~
すると他の令嬢達も、彼女に続いて「その通りですわ!」「当然です!」と力強く述べてきて、アメリアはずっと押されっぱなしだった。

「ミッシェル様も大変お困りで、わたくし達は全然声をかける隙がないですしっ」

「だから、わたくし達は、そういった男共を蹴散らそうとしたのですわ!」

「え? 男性の方を蹴散らそうとしたんですか?」

「そうですわ。わたくし達は、お立場から求婚しようとしつっこい嫌な男達を追い払うべく、まずは動き出したのです」

「ミッシェル様も、出てくるたびにたくさんの男性に言い寄られて、かなり疲れも窺えましたから……」

「けれど、それをミッシェル様に誤解されてしまって……」

そこに話が行きつくと、彼女達の声が途端に小さくなった。互いにチラチラと顔を見合わせるものの、説明を続けられない様子だ。

――つまり彼女達は、ミッシェル様にとって〝敵〟ではない?

アメリアは、きちんと確認しようと思った。困惑しつつも「あの!」と声を上げて、彼女達の視線を自分に集めた。

「少し状況を整理したいのですけれど、あなた方は、今はミッシェル様のよくない噂などは流していないということですよね? 実は、私はとある方々から『嫌味を言ったりしていたようだ』とお話を聞いて、ここへ来たのですけれど――」

そう述べ出した瞬間、ヴァレンティーナが、やや涙を浮かべた目で強くアメリアを射抜いてきた。

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